花と緑によるまちづくり活動に顕著な功績があり、市民共働のまちづくりに積極的に取り組む団体を表彰する「花と緑のまちづくり賞」が決定しました。福岡市緑のまちづくり協会は、今後も市民共働のまちづくりの推進をめざして、当賞を通じて花と緑のまちづくりを推進して参ります。
●表彰の対象
前年度までに「都市緑化及び都市公園保全美化運動並びに花と緑のまちづくりの推進に功績のあったものに対する市長表彰」の「花と緑のまちづくり地域活動功労者」を受賞し、かつ活動を5か年以上継続している団体が対象です。
令和5年度の対象団体は花づくりの活動をされている団体、緑の保全管理をされている団体合わせて155団体でした。
●審査の視点
良好な環境づくり(デザイン性、管理状況)
他の模範となる活動(会員活動、団体の外に向けた活動)
●審査の経過
1.事務局による予備審査により、155団体から6団体を選出
2.事務局によるヒアリング調査及び現地調査
3.審査委員による書類審査・現地審査により、3団体を選出
●総評 審査委員長 西日本短期大学緑地環境学科 教授 髙宮 さやか
今年入選の6団体は地域の美化・清掃活動から始まったものが多く、町内の公園を毎日清掃した上、外周の植栽を見事な宿根草花壇に変えた団体、水やりが大変な街路の花壇を23年にわたって花で彩ってきた息の長い団体など、現場を拝見して頭が下がる思いです。受賞の「花壇プロムナード・いきみなみ」は小学校の外周花壇の取組みにパトロールを兼ねて13町内が協力し、毎年100作品以上のコンテナやハンギングバスケットを展示するイベントの開催にまで発展しました。
また、今年は森づくり活動における幅広い取り組みについて評価が高く、屋敷林跡を町内の触れ合いの場兼子ども達のあそび場とする取り組みの他、受賞となった「愛宕の森と緑を守る会」は社叢林に入り込んだ竹の伐採に始まり、林内整備だけでなく、この地に自生するツクシヤマザクラの増殖や希少野生植物の保全を行っている点が学術的にも評価でき、「梅香る町梅林推進プロジェクト」は造成地を改良しての並木づくりであり、草刈作業も大変でありながら、壁画によるアーティスティックなPRはとても印象的でした。どちらもパンフレットの作成や展示、自然観察学習会、イベントなど維持管理以外の活動も活発で、こうした花づくり・森づくりを超えた展開に、福岡の一人一花運動が想定を超えた拡がりを見せていることを感じます。
ちなみに愛宕の戦前のロープウェイ遺構の発掘には審査員一同興味津々でした。
西区愛宕2丁目(愛宕山)
2015年、大型マンション建設に伴う自然・文化の消滅に対する危機意識から活動を開始。愛宕山のこの環境を子々孫々に手渡すことができるよう、これ以上の自然の退行や歴史文化の衰退を抑制し、50年、100年先を見据えた保全をしていくことを目的として活動しています。
熱心な整備により竹の侵食を食い止め、広大な森が本来の姿を取り戻しました。また、植物・昆虫観察会や歴史・文化講演会の開催、ツクシヤマザクラ等希少種保全の為の研修会を実施しており、専門性の高さや教育の観点が高く評価されました。
城南区梅林2丁目
「梅林」という名の町なのに、町なかに梅が全くない!という声を聞き、出来るなら地域の皆でその名のとおり、この町を梅いっぱいの梅香る町にしたいと思ったのがきっかけ。地名にちなんだ「梅」をツールに、町の美化を促進する活動を通して地域住民通しのコミュニケーションが深まり、災害時に助け合えるような環境が醸成されることを目的に活動しています。
七隈・金山校区15箇所、計118本の植栽が完了。景観美はもちろんのこと、梅見会の開催や景観づくりのプロジェクトを通した学生の巻き込み方や見せ方、世代をつないで行けるようなエンターテインメント性と運営のセンスが高く評価されました。
西区戸切2-17(壱岐南小学校外花壇)
壱岐南小学校前の道路拡幅に伴ってできた全長約80m花壇を素敵なものにしようと自治協議会が中心となって会員募集。園芸好きな女性を中心に口コミで広がり花壇を管理することとなりました。花壇の管理及び花づくり活動を行い、地域の美化活動を促進することを目的に活動しています。
限られた予算の中で宿根草を多く取り入れ、ローメンテで美しく保っています。また、毎年春に13町内が参加し、自慢の花作品を持ち寄る「まちごと・ガーデニングフェスタ」を企画・実施。管理活動のみならず、地域を巻き込んだ活動が高く評価されました。