花と緑によるまちづくり活動に顕著な功績があり、市民共働のまちづくりに積極的に取り組む団体を表彰する「花と緑のまちづくり賞」が決定しました。福岡市緑のまちづくり協会は、今後も市民共働のまちづくりの推進をめざして、当賞を通じて花と緑のまちづくりを推進して参ります。
表彰の対象
前年度までに「都市緑化及び都市公園保全美化運動並びに花と緑のまちづくりの推進に功績のあったものに対する市長表彰」の「花と緑のまちづくり地域活動功労者」を受賞し、かつ活動を5か年以上継続している団体が対象です。
平成30年度の対象団体は花づくりの活動をされている団体、緑の保全管理をされている団体合わせて106団体でした。
審査の視点
良好な環境づくり(デザイン性、管理状況)
他の模範となる活動(会員活動、団体の外に向けた活動)
審査の経過
1.事務局による予備審査により、106団体から6団体を選出
2.事務局によるヒアリング調査及び現地調査
3.審査委員による書類審査・現地調査により、2団体を選出
● 総 評
審査委員長 和田 博幸
近年の夏の異常高温や乾燥、冬には暖冬かと思えば異常降雪があったりして、皆さんが取り組んでおられる花壇づくりにおいても大きな影響が出て、日々ご苦労されていることと思います。その姿を想像すると、頭の下がる思いがします。
このような時こそ、身近なみどりは大切な存在です。花壇づくりの一つ一つの環境に及ぼす効果は、公園に茂る何本もの樹木と比較すると小さなものかもしれません。しかし、花壇づくりに自分の意志で関わるということが重要で、その意志を持つ人が増えれば、身近な所にきれいな花壇が増え、これに啓発されて地域の環境保全に関心を示す人も増えるのではないかと思います。そのためには花壇活動は楽しく、長続きさせないといけません。市民ボランティアの花壇づくりは「苦も無く、楽しく、美しく」を目指します。
今回受賞された「エコ・ガーデンと愉快な仲間たち」の花壇は、梅林緑地の樹木と相まって花壇の花々が町のいいアクセントになっていました。活動が成熟して生活化しているいい見本といえます。もう一つの「花の仲間たち」の活動は、病院という特殊な場所で、メンバーの花壇への思いが込められ、その総体が患者や医療関係者、お見舞いに来られた方などへ、花で癒しを感じられるものになっていました。
受賞された団体の皆さんには、これからも花と緑の市民活動の模範として活躍されることを期待しています。
活動の特徴 緑地を綺麗に!費用をかけず、広い花壇を花いっぱいに! 活動場所 梅林緑地 117㎡
会員数 31名
活動開始時期 平成21年
活動頻度 植替え…2回/年、草取り…随時、水やり…随時
活動の目的 ・きっかけ 森と湖に囲まれた西南杜の湖畔公園のオープンを契機に活動を開始。梅林3丁目の緑豊かな梅林緑地に花壇を作る事で彩りを添えている。この活動を将来につなげることで、美しい、ゴミのない、犯罪のない町づくりに寄与し、地域への愛着を深める土壌を育む事を目的として活動している。
評価された点
花壇に植栽する花の種類は、丈夫である、花期が長い、安価である、日照条件、乾燥条件など、花壇の場所の環境を考えて毎年試行錯誤しながら選択されています。
また、校区内の花づくり団体と共働で講習会、地下鉄駅や区役所でのパネル展示、花壇見学会を開催、宿根草を挿し木や株分けして交換する等、校区全体で緑や花のあるまちづくりにも取り組んでいます。成熟した地域活動によるバランスがとれた無理のない花壇活動が高く評価されました。
活動の特徴 年中花の絶えない、元気をもらえる癒しの花壇
活動場所 九州がんセンター 320㎡
会員数 20名
結成 平成14年
活動頻度 2回/月(植替え…2回/年、草取り…随時、水やり…随時)
活動の目的
・きっかけ 九州がんセンターから協会に花植えの要請があり、新聞で参加者を募集。応募者により協会主導でワークショップが開かれ、「花の仲間たち」が誕生した。
入院患者とその家族、お見舞いの方、病院関係者、地域の方と様々な人に季節を感じてもらい、親しみやすく、元気が出るような花壇づくりを目指して活動している。
評価された点
規模の大きな花壇には多品種が植栽され、年間を通して花が絶えないよう工夫して管理されており、メンバーの技術力の平均値が高いことが花壇に現れています。
花壇はブロックごとの担当制で管理されているにも関わらず、患者さん、お見舞いに来た人、病院関係者など、みんなを癒したいという目的が会員に共有されているため統一感が保たれています。造園工事等の図面でデザインされた花壇と対極にある、市民ボランティアならではのデザインの花壇が、がんセンターという場所で多くの方の「癒し」となっている点が評価されました。