花と緑のまちづくり賞は、花と緑によるうるおいのある美しいまちづくりを推進するため、まちづくり活動に顕著な功績のあった団体を表彰するものです。
令和7年4月17日に審査委員会を開催し、本年度の受賞団体が決定しました。
福岡市緑のまちづくり協会は、今後も市民共働のまちづくりの推進をめざして、当賞を通じて花と緑のまちづくりを推進して参ります。
●表彰の対象
前年度までに「都市緑化及び都市公園保全美化運動並びに花と緑のまちづくりの推進に功績のあったものに対する市長表彰」の「花と緑のまちづくり地域活動功労者」を受賞し、かつ活動を5か年以上継続している団体が対象です。
令和7年度の対象団体は花づくりの活動をされている団体、緑の保全管理をされている団体合わせて187団体でした。
●審査の視点
良好な環境づくり(デザイン性、管理状況)
他の模範となる活動(会員活動、団体の外に向けた活動)
●審査の経過
1.事務局による予備審査により、187団体から5団体を選出
2.事務局によるヒアリング調査及び現地調査
3.審査委員による書類審査・現地審査により、2団体を選出
●総評
審査委員長 西日本短期大学緑地環境学科 教授 髙宮さやか
今年入選の5団体の花壇はいずれも丹精込めた「こだわりの花壇」でした。「赤坂花壇に花を咲かせ隊」はお濠沿いの日陰の街路での活動ですが、宿根草を上手に使ったシェードガーデンに仕上げており、以前はゴミの多かった通りが現在では都会のオアシスになっています。「西南杜の花クラブ」のチューリップ花壇は実に壮観でした。清掃活動や苗マルシェも18年にわたり続けておられます。「横手花クラブ」は小学校と連携して学校の外周を花壇にしており、まちの景観となっています。多くの団体が会員の高齢化を感じる中、次世代との交流は今後の活動の継続に必ず寄与することでしょう。
入賞2団体のうちの「フラワーラブメイツ」も小学校前の街路花壇をつくっています。デザイン、管理ともよくなされており完成度が高いこと、また活動時の揃いのピンクの法被が楽し気でPR効果が高いことも評価されました。一方「園芸福祉ふくおかネット」は園芸福祉の専門家による活動ですが、花づくりが福祉に通じることを知っていただくのに良い機会であると思います。花壇に音、香りなどの要素を加えて障がいのある人も楽しめるように作られています。皆さんぜひ見に来てください。
東区アイランドシティ中央公園(園芸福祉の庭)
「園芸福祉」の理念をもとに、長年にわたり市民や専門職が連携して活動を継続されており、その実績と拠点の整備、内容の充実度はまさに模範的なものです。特に、まだ「園芸福祉」という言葉が一般に知られていなかった時期から行政と粘り強く対話を重ね、アイランドシティ中央公園内に「園芸福祉の庭」を実現した先見性と実行力には高い評価が寄せられました。
また、その後も維持・拡張を続け、公共空間を活かした誰もが参加できる活動の場として地域に根づかせている点は、福祉と緑化が融合した先駆的な取り組みといえます。さらに、視覚や嗅覚など五感で楽しめる花壇づくりや、専門的視点を活かした活動解説など、今後の発信力の強化や地域連携の拡充が加われば、全国的なモデルにもなると期待されています。
城南区七隈4~7丁目(福大通りの七隈小横)
七隈小学校前という立地にふさわしく、子どもや地域住民が元気をもらえるような華やかな花壇づくりに取り組んでおられます。鮮やかな色彩と整った植栽はもちろんのこと、統一感のあるピンクの法被を着用することで団体としての一体感を高めるとともに、地域の防犯・防災意識向上にも寄与している点が特に評価されました。
花づくり活動を契機に校区内に9つの団体が誕生し、交流会も開催されるなど、地域全体に波及する力のある取り組みです。高齢化の課題がある中でも、明るく前向きな活動の工夫を凝らし、他の団体にとっても励みとなる存在です。将来的には、より広いスペースや宿根草を活かした花壇展開にも期待が寄せられています。