立夏を過ぎ、暦の上では夏の始まりを迎えた舞鶴公園。 普段あまり目立たない樹木が、きれいな花を咲かせているのを見ることができます。 こちらはトベラ(トベラ科)です。 排ガスに強く、街路樹によく植えられている低木です。こんなにかわいらしい花を咲かせるのですね。花からは良い香りがしています。 トベラの名前の由来は、魔除けにするために枝を扉(とびら)はさんだからだとか。
こちらはシャリンバイ(バラ科)です。 トベラと似ている樹木で、やはり街路樹によく植えられていますが、花はあまり似ていませんね。
シャリンバイという名前は、葉が車輪のように枝をぐるりと取り囲んでいること、そして花が梅の花に似ていることに由来しているそうです。
この時期、舞鶴公園を歩いていると、どこからともなくいい香りがしてきます。 そんな時に周りを探してみると、つる植物であるスイカズラ(スイカズラ科)やテイカカズラ(キョウチクトウ科)の花が咲いていることがあります。 スイカズラの花は、筒状のつぼみが上下に開いた変わった形をしています。 黄色と白の2色の花が見えるのは、咲き始めの花は白く、だんだんと黄色っぽく変化するためです。 (平成28年5月9日撮影 上の橋御門跡近辺)
テイカカズラの花は、風車(かざぐるま)のような形をしています。 息をふーっと吹けば、まわりはじめそうですね。
ツツジ園では大木に絡み付くテイカカズラを見ることができます。 いい香りがしたら、周りを探してみられませんか。
名島門の近くで、センダンの花が咲き始めました。 センダンの花の色は、上品な薄紫色をしています。 この色には独特の呼称があり「樗(おうち)色」と言われています。 「樗(おうち)」というのはセンダンの昔の呼び名だそうです。 「藤色」や「菫(すみれ)色」など、植物にまつわる日本の色は多いようですね。
昨年の見頃は5月20日ごろでした。 舞鶴公園のセンダンは、大きな木なので、見ごたえがあります。 お近くをお通りの際はぜひご覧ください。